技術情報

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スリッター

2023年12月01日

スリッターの原理について

スリッターについての概要、用途、原理などをご説明します。

エンジニアのための産業用製品の比較情報サイト「Metoree(メトリー)」
https://metoree.com/categories/2593/

スリッターとは?

材料を搬送しながら送り方向に切断することをスリッティング又はスリットと言い、スリッターとは材料を送り出し、送り方向に任意の幅で切断する機器を指します。

スリッターは、材料をスリットする機構のみの機器もありますが、材料を送り出す機構、材料をスリットする機構、そして一定幅にスリットされた材料を巻き取る機構までを含んだ装置を指す場合も多いです。

材料は刃物でスリットしますが、刃物の構成や材質、形状、位置関係など用途により使い分けています。

スリッターの原理

スリッターは、基本的には上刃と下刃を組み合わせて材料を切断しますが、切り方にはいくつかの方法があります。また、ロールに巻かれた材料を紙管やプラスチックコアごとスリットするロールスリッターという特殊な方法があり、業界ではこのロールスリッターを「ブツ切り」「輪切り」「押し切り」「大根切り」など、様々な名称で呼ばれています。

1. シェアカット (またはシャーカット)
剪断 (英: shear) での切断です。丸形状の上刃と下刃をそれぞれすり合わせて切断します。厚手のフィルムや、用紙などに使われることが多いようです。

2. レザーカット (またはフェザーカット)
狭い溝形状のあるローラーの溝部分に先端が鋭利なレザー刃または丸刃を入れるか、又は空中で材料を切断します。レザー刃や丸刃は下刃やローラーには触れません。やわらかい材料を切断する場合に使用されることが多いです。

3. スコアカット
丸形状の上刃をローラー (金属又はゴム) に押し当て、その圧力により材料を切断する方法です。

4. ギャング刃によるカット
上刃と下刃の両方ともに角刃を用いて切断します。一般的には上刃と下刃はすり合わせず、微小なクリアランス (隙間) を設けて使用します。

5. ロールスリッター

丸刃1枚でロールに巻かれた材料を紙管やプラスチックコアごとスリットするのが特徴です。丸刃の形状選定は、原反の材質、巻き硬さやスリット幅に応じて大きく変わり、片刃と両刃を使い分けて主に使用します。

片刃のメリット
片刃は両刃に比べて刃先が鋭利な点から、切れ味の良さやスリット面の綺麗さは両刃よりも圧倒的に優れています。品質の良さだけではなく、寸法精度も両刃より高精度に仕上がります。他にも、刃先の鋭利さを活かして細い幅のカット(スライスカット) も得意としています。

両刃のメリット
両面に刃がついており、刃先が片刃よりも鈍角になるため、材料に対する力が均等に加わり片刃よりも直進性に大変優れています。巻き硬さが硬い材料や重量物などをスリットするのに最適な形状です。それに加えて太い幅をスリットする際にも同様に直進性が必要になるため、両刃を使用すると綺麗にスリットでき、刃先角度が片刃よりも鈍角なので刃先が摩耗しにくい点もメリットの一つになります。

主な切断方法を紹介しましたが、切断する材料や刃物の当て方等でそれぞれ適した方法を採用します。切断対象の材料は、厚み、硬さ、単体なのか複層あるのか、等の検討が必要です。刃物側では、刃に駆動をかけるのか/従動にするのか、刃物の刃先角度、刃物を押し当てる力、刃物のトー角/キャンバー角など、いくつもの要因が有ります。求める切断端面の品質や刃物の寿命を考慮して、切断方法を決めますが、これらはノウハウとなっており非常に奥深いものです。

 

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