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ロールスリッター

2026年02月27日

フィルム加工機の種類・選び方完全ガイド|スリットからレーザーまで用途別に解説

フィルム加工機の種類や原理、方式別の選び方を解説します。スリッターロールスリッター・レーザー加工機・打ち抜き加工機の違いから、業界別の活用事例、選定時のチェックポイント、最新のIoT・自動化技術までをまとめました。「自社のフィルムに最適な加工機がわからない」とお悩みの方は、ぜひ参考にしてください。

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項目 スリッター

ロールスリッター

スリッター刃数 複数枚 1枚
刃種類 シェアカット(シャーカット)
レザーカット(フェザーカット)
スコアカット
片刃
両刃
チップソー
スリット方式 ロールtoロールでスリット 紙管ごとスリット
スリット対象 フィルム、シートなどの連続した素材 ロール状の原反(紙管付き)
熟練度 熟練技術が必要で属人的な機械になりやすい タッチパネルで簡単設定、初心者や女性向き
精度や品質 高精度 安定した精度
作業効率 高速で大量生産向き
※同じ材料を生産する場合に限る
待ち時間なく効率的に、必要な分だけスリット可
安全性 操作者の技術による 刃物は使用中以外カバー内で安全
メンテナンス 刃物交換や位置調整が高難易度 誰でも簡単に交換や調整可
対象ニーズ 生産性重視、高精度重視 操作性や安定性重視
在庫削減や納期短縮に貢献
対象素材 小範囲
※素材によって機種が変わる
広範囲
※1台で広範囲に対応可

目次

フィルム加工機とは?加工の種類と役割の全体像

フィルム加工機とはどのような装置で、私たちの身の回りの製品とどうつながっているのか──まずは全体像をつかみましょう。

フィルム加工の定義と主な加工工程

フィルム加工機とは、ロール状やシート状のフィルムに対し、刃物・熱・レーザー等を用いて形状や特性を調整する産業用装置の総称です。主な加工工程は以下のように分類できます。

■ 切断加工(スリット・レーザー・打ち抜き)──ロール材を任意の幅や形状に切断する工程です。フィルム加工の中核となる工程で、どの業界のフィルムでも必ず発生します。

■ 貼り合わせ加工(ラミネート)──複数のフィルムや素材を接着剤や熱で貼り合わせ、複合材料を作る工程です。食品包装のバリアフィルムや電子部品の保護フィルムなどに使われます。

■ 表面加工(コーティング・コロナ処理等)──フィルム表面に機能性(耐熱・耐薬品・帯電防止等)を付与する工程です。コロナ処理は印刷や接着前の下地処理としても重要です。

■ 印刷・乾燥──フィルムへのグラビア印刷やフレキソ印刷、印刷後の乾燥工程もフィルム加工の一部です。

■ 巻取・スリット──上記のどの工程を経ても、最終的に「必要な幅に切断(スリット)し、ロール状に巻き取る」工程が発生します。つまりスリット・巻取は、フィルム加工全体に共通する中核工程といえます。

身近な製品に使われるフィルム加工機

フィルム加工機が活躍する場面は、実は私たちの日常生活のすぐそばにあります。たとえば、スーパーの食品包装フィルム、キッチンのラップフィルム、紙パックの内側フィルム、スマホの保護フィルム、自動車のウインドウフィルム、粘着テープ──これらはすべて、フィルム加工機によって必要な幅・形状に加工されています。産業用の装置でありながら、消費者の生活を支える縁の下の力持ち的な存在です。

代表的な業界としては、食品包装・医薬品・電子部品・自動車・建築資材・粘着テープなどが挙げられます。各業界で求められる加工精度や素材特性は異なりますが、いずれも「フィルムを必要な幅に切断し、巻き取る」工程が共通しています。

フィルム切断加工機の主な種類と方式別の選び方

ロールスリッター

フィルム切断加工機の主要方式を、原理・特徴・得意素材の観点で比較します。また、切断以外の加工工程(貼り合わせ・表面処理)とスリット工程の関係も整理します。

スリッター(ロールtoロール切断)の特徴と得意素材

スリッターは、ロール状のフィルムを巻き出し、スリット刃で任意の幅に切断し、再びロール状に巻き取る方式です。フィルム加工の中核装置といえる存在で、切断方式によって切断面の品質や対応素材が変わります。刃の方式については「スリッター刃の原理や材質、種類を具体的にわかりやすく解説」もご覧ください。

■ シェアカット──上刃と下刃でフィルムをはさみ切る方式。切断面がきれいで、厚手のフィルムや金属箔にも対応します。

■ レザーカット──丸刃でフィルムを押し切る方式。薄手のフィルムや不織布に適し、粉塵が出にくいのが特徴です。

■ スコアカット──刃を押しあてて溝を入れる方式。厚紙やダンボールなどの比較的厚い素材に使われます。

スリッターでは、切断中のテンション(張力)制御が品質を左右します。テンションが不安定だとシワや蛇行が発生し、巻取品質が低下します。蛇行修正機能や静電除去装置も、スリット品質を安定させる重要な要素です。スリッターの原理については「スリッターの原理について」で詳しく解説しています。

対応素材は幅広く、PET・PP・アルミ箔・不織布粘着テープ・各種ラミネートフィルムなどに対応します。加工精度は±0.1mmを実現できる装置があり、包装フィルムから光学フィルムまで、幅広い用途に対応します。

ロールスリッター(輪切り式)の特徴と少量多品種対応

ロールスリッターは、ロール材を紙管ごと一枚刃で輪切りする方式です。必要な幅・個数をタッチパネルで設定でき、初心者でも扱いやすい操作性が特徴です。粘着フィルムやターポリン等の硬巻材料にも対応し、少量多品種から量産まで幅広く活用できます。「必要な分だけ加工」できるため在庫圧縮にもつながります。ロールスリッターとスリッターの違いについては「ロールスリッターとスリッターの違いと特長を解説」もご覧ください。

また、2軸ターレット式のフィルムロールスリッターでは、1軸比で約1.5~2倍の生産性向上が見込めます。段取り替えの手間を減らし、連続運転による効率化を実現します。

高速全自動ロールスリッターでは、機械送り精度±0.1mm・最小スリット幅2mmからの加工が可能です。原反端・径の自動検出、刃先自動研磨などの機能を備え、「新人の方や女性の方でも安心して使える」設計思想を徹底しています。スリットデータの見える化機能もあり、加工条件を経験値ではなく数値で管理できるため、属人化の防止にも貢献します。

レーザー加工機の特徴と得意用途

レーザー加工機は、レーザー光を使って非接触でフィルムを切断する方式です。刃物を使わないため摩耗がなく、光学フィルムや特殊フィルムなどの精密カット・微細加工に適しています。型が不要なため少量生産や試作にも向いていますが、ロール材の幅方向を連続的にスリットする用途では、スリッターのほうが生産性・コスト面で優れるケースが多いです。

打ち抜き加工機の特徴と得意用途

打ち抜き加工機(トムソン・プレス)は、型を使ってフィルムを任意の形状に打ち抜く方式です。同一形状の大量生産に向いており、合成樹脂シートやテープ類などの加工に広く使われます。「ロール材の幅方向切断=スリット、形状抜き=打ち抜き」と理解すると、使い分けが明確になります。

貼り合わせ加工(ラミネート)とスリット工程の関係

ラミネート加工は、複数のフィルムや素材を貼り合わせて複合材料を作る工程です。食品包装のバリアフィルムや電子部品の保護フィルムなど、多層構造のフィルムに不可欠です。ラミネート工程を経たフィルムも、最終的には「必要な幅にスリットして巻き取る」工程が必ず発生します。

表面処理(コーティング・コロナ処理)とスリット工程の関係

コーティングはフィルム表面に機能性を付与する工程、コロナ処理はフィルム表面の濡れ性を高める下地処理です。いずれも印刷や接着、ラミネートの前工程として重要です。そして、表面処理を経たフィルムも、最終的にはスリット・巻取工程を通ります。つまり、どの加工工程を経ても「スリット・巻取」が共通の中核工程であるという構造が見えてきます。

業界別フィルム加工機の活用事例と求められる加工精度

業界別フィルム加工機

フィルム加工機が実際にどの業界でどう使われているかを、業界ごとに見ていきましょう。

包装・食品業界のフィルム加工

ポリプロピレン系などの包装フィルムのスリット加工が代表的です。包装機にセットするためには幅精度が重要で、計量包装やピロー包装ではフィルムの幅がずれると包装不良に直結します。「包装材の前工程=スリット」という構造があります。詳しくは「フィルム業界のスリット加工できる素材一覧と事例まとめ」もご参照ください。

電子部品・光学業界のフィルム加工

光学フィルムや電子部品用保護フィルムなど、高精度スリット(±0.1mm)が求められる分野です。素材特性に応じた刃物選定とテンション調整が特に重要で、切断面のバリや粉塵が製品品質に直結するため、刃物方式の選定(シェアカットかレザーカットか)が成果を左右します。

自動車業界のフィルム加工

自動車用保護フィルムやウインドウフィルムなど、耐久性と光学特性が求められるフィルムのスリット加工が行われています。切断面品質と幅精度の両立が求められるため、テンション制御と刃物方式の選定が重要になります。

テープ・粘着製品業界のフィルム加工

粘着テープや包装テープの製造工程では、ロールスリッターやスリッターによる幅切断が不可欠です。特に粘着素材は刃物への付着や糊のはみ出しが課題になりやすく、専用の刃物方式やテンション調整が求められます。詳しくは「テープ業界のスリット加工できる素材一覧と事例まとめ」もご覧ください。

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フィルム加工機を選ぶときに確認すべき5つのポイント

精度確認 操作性

フィルム加工機の選定で重要な5つの観点を整理します。第7章で紹介するキンダイの強みにも直結するポイントです。

加工方式と対応素材の範囲

スリット・レーザー・打ち抜きなど加工方式ごとの得意素材を比較し、「自社のフィルムにどの方式が合うか」を判断しましょう。フィルム・粘着テープ・不織布・金属箔・ラミネートなど、対応素材の幅広さも確認ポイントです。以下の表で各方式の特徴を比較できます。

加工方式 特徴 得意素材 向いている用途
スリッター ロールtoロールで幅切断 PET・PP・アルミ箔・不織布等 幅切断・巻取
ロールスリッター 紙管ごと輪切り 粘着フィルム・ターポリン等 少量多品種・在庫圧縮
レーザー加工機 非接触切断・型不要 光学フィルム・特殊フィルム 精密カット・微細加工
打ち抜き加工機 型で形状抜き 合成樹脂シート・テープ類 同一形状の大量生産

加工精度・テンション制御・操作性

テンション(張力)制御や蛇行修正の重要性を理解しておきましょう。±0.1mmの精度を実現できる装置を選ぶことが重要です。また、タッチパネル設定やセンサー検出など「誰でも扱える」操作性も、将来的な属人化防止につながります。

生産性・アフターサービス・導入コスト

段取り替え時間や連続運転性能など生産性の観点も確認しましょう。2軸ターレット式による生産性向上の事例もあります。また、メーカー直営のアフターサービスや改造・別注対応の体制が、長期的なコストに影響することも覚えておきましょう。

フィルム加工機の最新技術トレンド

「最新技術×フィルム加工機」の切り口で、今後の動向を展望します。

IoTリモートメンテナンスによるフィルム加工機の稼働支援

制御装置やタッチパネルのデータを遠隔で収集・診断できる仕組みが、フィルム加工機でも普及しつつあります。出張回数の低減や修理時間の短縮といった具体的なメリットがあります。また、未然にトラブルを防ぐアラーム検出も有効で、予防保全・予知保全の考え方が重要になっています。詳しくは「IoTでリモートメンテナンス」もご覧ください。

データ見える化・タッチパネル操作でフィルム加工の属人化を解消

スリットデータの見える化・レシピ保存機能により、従来は熟練者の勘に依存していたフィルム加工の設定がデジタル化されるトレンドが進んでいます。6段階予約設定・3段階自動変速など、新人や非熟練者でも安定した加工が可能になります。

チョコ停対策─カメラ自動録画でフィルム加工ラインの停止原因を追究

停止信号をトリガーにトラブル前後を自動録画する機能があります。フィルム加工ラインでは素材の破れや蛇行、刃物の摩耗がチョコ停の原因になりやすく、原因追究と復旧時間の短縮に貢献します。詳しくは「トラブル前後のカメラ自動録画機能」をご参照ください。

フィルム加工機の導入から稼働までの流れ

テスト加工

「フィルム加工機を導入するとき、何から始めればよいのか」を整理します。

導入フロー(相談→テスト加工→仕様確定→納品)

フィルム加工機の導入は、「①課題ヒアリング → ②テスト加工 → ③仕様確定 → ④納品・操作指導」のステップで進みます。中でも「テスト加工」が最重要ステップです。テスト加工が難しいケースでは、テスト機を製作して対応することもあります。テストなしで進める場合は、3D CADソフトで検証するなどして完成品の解像度を上げる必要があります。

ステップ 内容 ポイント
① ヒアリング 現在の加工課題・素材・生産要件を共有 「何に困っているか」を明確に
② テスト加工 実際の素材で切断・巻取品質を検証 導入後の想定外を防ぐ最重要ステップ
③ 仕様確定 テスト結果を踏まえ機種・オプション決定 別注・特注範囲もこの段階で確認
④ 納品 設置後に操作トレーニングを実施 アフターサービス体制も確認

テスト加工で確認すべきポイント

テスト加工では、切断面品質・テンション安定性・巻取精度・速度を確認しましょう。「実際の素材で試してから決める」姿勢が、導入後の失敗を防ぐ最大のポイントです。

キンダイに相談して、現場に合うフィルム加工機の仕様を固める

 

第4章の選定ポイントを踏まえ、「では実際にどんなメーカーが理想的なのか」を、キンダイの強みと製品ラインナップとともにご紹介します。

キンダイの強み:設計からアフターサービスまでの一貫体制

キンダイは1945年創業の自動機器製造メーカーで、設計開発・製造・販売・アフターサービスまでを一貫体制で行っています。キンダイが掲げる5つの強みをご紹介します。

■ 高品質・高耐久性──厳密な社内基準の品質検査と長年の技術ノウハウを背景に、壊れにくく安定した機械を提供します。

■ 要望以上の提案力──課題を共有し、作業性・操作性・生産性・品質まで踏まえた提案を行います。

■ 柔軟な対応力──標準機から別注機・特注機まで対応。設計開発からアフターサービスまで自社で完結できるトータルサポート体制です。

■ 信頼と実績──1945年創業の歴史と、世界15か国以上で愛されるKINDAIブランド、40製品以上の特許・実用新案取得実績。

■ アフターサービス──納品して終わりではなく、操作方法・メンテナンス含め正確かつ迅速にサポートします。キンダイの歩みは「100年企業に向けての歩み」、導入までの流れは「お取引の流れ」をご覧ください。

主なフィルム加工対応製品と対応素材一覧

キンダイの主力製品を以下にまとめました。対応素材の幅広さについては「導入業界と対応素材について」もご覧ください。

製品カテゴリ 主な機能 対応素材例 別注対応
ロールスリッター ロール材を紙管ごと輪切り、タッチパネル設定、精度±0.1mm フィルム・箔・ゴム・紙
スリッター ロールtoロールでスリット、テンション制御・蛇行修正 不織布・PET・アルミ・ラミネート
フィルムロールスリッター 2軸ターレット式で生産性1.5〜2倍、チップソー切断 粘着フィルム・PP・PE
ヒートカット機 溶着しながら切断、ホツレ防止・美しい仕上がり 繊維・メッシュ・リボン
巻取機 テンション制御・耳揃え・巻き替え 各種シート・フィルム
両耳自動縫製機 左右同時縫製、糸切れ検出センサー タオル・カーテン・カーペット

まとめ|フィルム加工機の選び方は“スリット品質×対応力”で決まる

男性が握手している

フィルム加工機の選定では、「加工方式」「精度・テンション制御」「操作性」「生産性」「アフターサービス」の5つが決め手になります。

フィルム加工機は10年20年と稼働し続けるものです。だからこそ、納品後にこまめに対応してくれるメーカーをパートナーに選ぶことが、長期的な成果を得るための鍵です。「幅広い素材に対応」「誰でも扱える操作性」「アフターサービスまで一貫」のパートナーを探してみてください。

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この記事の監修者

寺内 亮
専務取締役
寺内 亮
Ryo Terauchi

創業1945年産業機械開発メーカーである株式会社キンダイにて、スリッターやヒートカット機など多様な自社製品開発に従事。
40製品以上の特許・実用新案を取得してきた技術基盤を持つ同社において、2017年より海外展開を本格化し、ベトナムやタイをはじめとする東南アジア諸国へ展開。
現在はIoTやAIを用いて現場に蓄積されたアナログ情報を可視化し、判断や操作を支援することで、新人でも簡単に扱えるモノづくりを進め、新規事業開発にも貢献している。